都会でも田舎でも、土地や時代に関係なく、飯塚監督の脚本と演出には独特の飯塚ワールドが空気のように満ち広がっていますね。 この作品の舞台となっている群馬県渋川市のロケーションがまず素晴らしいです。
ありそうでないような日常となさそうであるような非日常が、エッジの利いた登場人物たちとコミカルにひしめき合って、観る者を自然と映画の中へと引き込んでいってくれます。そしてサラッと落とされる人生のヒントのようなセリフの数々が心を引っ掻く。渋川清彦さんをはじめとした個性派・実力派俳優さんたちの魅力が惜しみなく楽しめる作品となってます。
人生の折り返し地点と感じる年齢は人それぞれだが、折り返すのか進むのか、それとも立ち止まるのか…すべての人の背中を優しく押してくれる映画のように思いました。
それ以上に笑えますが!(笑)
笑えて、少し泣けて、近いとこにある日常に限りなく似ていて、楽しめました。
地場の歪みをビンビン感じる群馬を舞台に、なんとも快テンポ、否、怪テンポで物語が展開。
心地いいようで、どこか心地悪い……
そんな会話のキャッチボールにズブズブとハマっていく中毒性の高いヤバい作品だ。
冒頭からどこか肩の力が抜けたような飯塚監督オリジナルのストーリー展開と、その台詞と演出に対する渋川さんをはじめとした個性派・実力派俳優たちとのセッションに最初から最後までチロチロとくすぐられている感覚が心地良い。
群馬県渋川市出身の同郷という枠組みを越えた渋川×飯塚監督のタッグが独自の狂気とエロスを融合させたユーモアたっぷりの化学反応を起こしている。
その一方で、主人公が40代の同世代ということもあってか、これまでの苦い思いを乗り越えて、人生の折り返し地点で悩みもがいて決断する生き様が心に刺さって泣けた。
ちょっと立ち止まって、次の一歩を考えてみようと思わせてくれる作品です。
久しぶりにずっとこの映画を観ていたくなる映画でした。僕も榎田一派に入れてほしいと心から思った。あのリサイクル屋さんで一夏でいいから働かせていただいて、自分自身をリサイクルしたい!
飯塚健監督のおかげで伊藤沙莉&渋川清彦の素晴らしいマッチになりました!
サイコーな役者二人の強力コンビが観たいなら『榎田貿易堂』はおすすめ!
榎田貿易堂に集まる人々の絶妙な距離感、事がうまく運びそうになるもそうは問屋が卸さない現実感、人は簡単に死んだり死ななかったりするケレン味、こんないい塩梅の映画は久しぶり。
その後退屈な日常になったとしても、しばらく彼らを見続けたい。
加えて、伊藤沙莉のチンチンダッシュ、最高!!
ご贔屓女優といえば、久々にブッ飛びなのが「榎田貿易堂」の余貴美子サマ。
科白もヤルこともあけすけ。円くなってないねえ。「ヌードの夜」の“奈美”の魂は健在です。
映画も渋川清彦らヤサグレ男女の軽妙会話のやり取りがボクにはバカ受けだった群馬“ご当地映画”の拾い物。人生の決断を敢えて後回しの性根が今どき小気味よい。
「辞める」という言葉はマイナスなイメージに捉えがちだ。
私もそうだった。
もう辞めてしばらく経っているけど、ずっと心の中で引っかかっていた「負けた」という気持ち。
この作品を観て、私は負けたんじゃない、次に進めたんだという、前向きな気持ちにようやく変えられた気がする。
飯塚監督の作品は、一つ一つの言葉がズキズキと心の奥深くに優しく突き刺さって、それがなんだか心地良くて、やみつきになる。
重たい一歩目を、気持ちのいい一歩に変えられる、そんな素敵な作品です。
渋川の渋川さんが、かっこ悪すぎて惚れそうになりました!
榎田貿易堂、先の不安はあるけど、俺も働きたいなぁ。
この先みんなどうなっちゃうんだろう。。。
「貿易」が全く出てこない。
そして、大した事件も起こらない。
それでも確実に、笑えて、泣けて、観る人の心に触れる何かがあって、
忘れられず、酒を飲んで人と話したくなる。
そんな人たらしな映画。
群馬県渋川の渋川映画完成!
伊香保温泉の石段をこれほどフラットに魅力的に描いた映画を初めて観ました。
榎田貿易堂で働くことは、僕らみたいな煮え切らない奴等には理想的かもしれないですよ。
辛くても、人前ではバカをやってる感じに共感しました。
珍宝館万歳!
“青春のあとしまつ”が、夏の終わりに向けて描かれる。絶妙なテンポと間合いで展開する会話のアクセントをつくるのは、24歳の実力派女優、伊藤沙莉。全力で地団駄を踏んだり、文句や愚痴が多めのハスキーボイスは、ムーミン谷のミイのよう。
伊香保に行きたくなった。榎田貿易堂のロケ地を見たくなった。何なのだろう、この可笑しく温かく、そこはかとなく切なく、あと味が良い…。思い出した!寅さんだ!榎田には群馬中で店を開いては閉じながら練り歩いて欲しい。そして我が群馬の寅さんになって欲しい!
人に生まれたんだから、しあわせに貪欲でいい。愛に貪欲でいい。そして戸惑う人の背中を、笑顔で押せる人になれれば超カッコイイじゃん。
登場人物皆と友達になりたい映画ってそう無いぞ!
人生を考えるたびに立ち止まることがある。
そんな自分を思い出し重ねて観ていた。
いいかげんでどうしようもないけど愛おしい、大好きな映画になりました。
ありがとうございました。である。この映画を見ると、 飯塚監督に伝えたくなった言葉だ。大好きな俳優たちの、 知らなかった魅力を全開で引き出している(悔しいぞ) 映画の独特の世界観がすごく心地いい( どうやってこういうの作るの?) よい映画を見させてもらいました。
同郷で、普段からよくお世話になっている海田さんからの『こういう映画があるけど、チャレンジしてみたい?』というお言葉からのスタートでした。
『是非やらせてください!』と音速で返事をしたあと、何曲か飯塚監督、海田さんに聴いてもらい、その中で一番作品に合う『ハロー』に決まりました。
決まった日は嬉しくて、全然関係の無い仲間と朝まで飲んだ事を思い出します。
今回は歌詞を共作という事だったのですが、それがとても楽しく、だけど、難しく、でもやっぱり楽しい作業でした。
個人的に大好きな世界観の映画の最後を、曲で締めくくれる事は、とても光栄で、音楽を諦めずにやってきてよかったなと思います。
いつの日か、また一緒にお仕事が出来るよう精進してまいります。
飯塚監督の映画に出てくる人たちはみんな愛おしい。 弱く、浅はかで、前向きで。そして何よりとても人間だ。 彼らが一生懸命生きてるから、ずっと見ていたくなる。 「人生を見つめなおす時間」をユーモラスに、そしてポジティブに描いたこの作品を僕は大好きです。
これまで自身をさらけ出し、パンツを下ろしてきた飯塚監督が、今度は同郷の渋川清彦らとともにパンツを下ろした。本能のままに行動する登場人物の姿は滑稽ながら、愛らしく、『榎田貿易堂』は監督のフィルモグラフィにおいても、ひとつの到達点となった!